元正天皇は第44代の天皇です。在位は715年から724年。次の聖武天皇が即位するまでの中継ぎとして即位した女性天皇です。
文武天皇が早くに亡くなったので、文武天皇の母が元明天皇として即位しました。文武天皇の皇子である聖武がまだ幼かったために、中継ぎで文武天皇の姉の元正天皇が、母親の元明天皇から譲位されました。
この時代における天皇の系譜はややこしくて、頭を整理するためにまとめてみました。
天智、天武天皇はそれぞれ妻と子供が多く、お互いの子供との婚姻関係も多いです。赤字が女性、スペードのマークは政争で不幸な最期をとげた人です。
天皇の系譜で、女性に女性から譲位されたという状況は、元明から元正の時だけです。しかも元正天皇は生涯独身でした。聖武天皇をわが子のように保護し、聖武天皇に譲位してからも、病気がちで仏教に傾倒した聖武天皇を、政務面でサポートし続けたそうです。優しくてしっかりした女性だったのです。
図をまとめていて思ったのは、皇室の正当性というものが血の濃さであるということ。皇族の血が濃ければ濃いほど、天皇にふさわしいのです。天武天皇よりも天智天皇のほうが正当性があったのか、天武天皇は天智天皇の娘たちを何人も妻にして子供をもうけました。高市皇子などは壬申の乱のときに活躍したのにも関わらず、天皇になれていません。
今上天皇である徳仁天皇が皇太子だったころに、子供が愛子さんしかいないので、女性天皇の議論がありましたが、この時代の女性天皇が根拠になっています。私は、愛子さんは才女なので女性天皇になってもよいのではないかと思いますが、やはり男子の染色体にこだわる人も多いのです。
元正天皇陵は、お母さんの元明天皇陵とは京都府道44号奈良加茂線で隔てた反対側にありました。
元明天皇陵へ行った後に寄りました。駐車場に車は停めれないようになってます。
こちらもひっそりとした場所になっていました。