こばると歴史探訪ログ

関西の史跡や寺社を訪れた記録です

大津皇子の二上山墓(ふたかみやまのはか)

草壁皇子陵の記事をアップしてから、大津皇子陵も確認したくなりました。調べると二上山の山頂にあるということなので、行ってみました。

 

 

標高517mの山頂にあります。下の写真の赤いピンの場所です。

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二上山を奈良側から見た写真です。大きい山が雄岳、小さい山が雌岳、山と山の谷になっているところを馬の背といいます。馬の背に夕陽が沈むことがあり、その神々しさから昔の人はこの山を神格化していたようです。

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大津皇子陵は、高い方の雄岳の頂上にあります。本当は麓に葬られましたが、祟りを恐れてわざわざ山の上に葬りなおしたとか。麓の古墳が実際の陵墓であるとの説もあり、真実は不明です。

 

二上山 | 香芝市公式サイト

 

どうやって行ったらいいのか、公式サイトで出かける前に調べました。ガイドマップをみると、山頂まで複数のルートがありました。その中で最短コースである祐泉寺ルートで行くことにしました。

 

大瀧寺から裕泉寺までの山道は細くて、車の離合はかなり難しそうなので、バイクで行きました。地元の人は車で通っている道のようでしたが、よそ者はやめておいたほうがいいでしょう。

 

祐泉寺の遊歩道入り口の前にバイクを置いてここから歩いて登ります。

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道はこんな感じです。かなり険しい山道です。

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5分ほど歩いて、ちょっと後悔しはじめました。もっと緩い道のルートを使えばよかったか・・・

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川には橋がかけられています。

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雰囲気のある倒木。

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秘境感がありますね。

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1キロほどこのような道を登ると、馬の背まで出られました。写真を撮るのを忘れてしまってネットで見つけた写真ですが、馬の背は以下のような場所です。ハイキング客がたくさんいました。

二上山|ライトな登山がしたい人におすすめ!気軽に行けるハイキングコース2選|YAMA HACK

 

馬の背からさらに雄岳を目指します。登るのに必死で写真を撮っていません(笑)

 

山頂にコンクリートブロックの二上神社がありました。

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そこからすぐ近くに大津皇子の標識がありました。

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奥に進むと鳥居があります。

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宮内庁のいつもの看板がありました。間違いありません。

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山頂にもかかわらず、綺麗に清められていました。立派な陵です。車では移動できない山道なので、どうやって石材やら鉄柵を運んできたのでしょうか。すごいです。

 

昼食用にコンビニで買っていたお握りを食べて、少し休んでから下山しました。ここはかなりの運動になりました。最近ランニングをはじめて、体力をつけていたのでよかったです。

 

帰りに、鳥谷口古墳を見学。こちらが本物の大津皇子の陵だという説もあります。

 

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棺の中がのぞけます。謀反人にこのような棺を用意したとは思えないので、また別の人なのではないでしょうか。

 

大津皇子は才色兼備で、人柄もよく多くの人に慕われていたそうです。草壁皇子よりも人気があったので、草壁皇子の母親の持統天皇に無実の罪で殺されたのではないかという話があります。大田皇女が早逝していなかったら、天皇になっていたかもしれません。天皇家は後継者争いの惨い話が多過ぎです。最も世界中どこでも王家は同じような話はたくさんありますが。 

 

奈良の風景はいつもと同じく穏やかでした。

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行く前に折口信夫の「死者の書」という本をコミック版で読みました。中将姫伝説の話です。原作は難解なのですが、マンガなのでだいぶわかりやすかったです。二上山も万葉の雰囲気が漂う地域です。

 

 

後日、黒岩重伍作「天翔ける白日 小説大津皇子」という小説を読みました。面白い小説でした。作者による創作ではありますが、史料をベースに書かれていますので、大津皇子の悲劇について理解が深まりました。